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【山村暮鳥の詩】「風景」の“いちめんのなのはな”が圧倒的。他、雲・春・りんご。

最近、暑いですね。

 

季節は、夏への扉が半分開いているというところ。扉の向こうには、真っ青の空と入道雲が光っている想像をしながら、完全に春の詩を紹介したいと思います。

 

今回は、山村暮鳥(やまむらぼちょう)さん。

 

 

 

 

「風景 純銀もざいく」

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

かすかなるむぎぶえ

いちめんのなのはな

 

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

ひばりのおしゃべり

いちめんのなのはな

 

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

やめるはひるのつき

いちめんのなのはな

 

 

圧倒的な「いちめんのなのはな」です。

文だけで、こんなに一面の菜の花が広がることがあるでしょうか。

山村暮鳥では、これが一番好きです!

 

途中で出てくる、

かすかなるむぎぶえ。

ひばりのおしゃべり。

そして、

やめるはひるのつき。

 

美しい風景すぎませんか?

 

純銀もざいくって。なんかわからんけどきれいすぎませんか?!

は~好き。

 

むぎぶえとは、「麦の茎を切って、笛のように吹き鳴らすもの」だそうです。

むぎぶえ

 

ひばりは、甲高いきれいな声で鳴く鳥。

晴れた日によく飛び鳴くそうです。名前の由来も「日晴る」からだとか。

ひばり

 春になると、実家の近くではひばりがよく鳴いています。

その声を暖かく薫る風の中で聞くと、圧倒的幸福感が訪れます。

そういえば、今住んでる街では、全く聞いたことがないなぁ…。

 

 

「雲」

おうい 雲よ

ゆうゆうと

ばかに のんきそうじゃないか

どこまで ゆくんだ

ずっと 磐城平(いわきだいら)のほうまで ゆくんか

 

これも良いですね。

ぽかぽか浮かんだ雲が、ゆっくり流れていく様が想像できます。

 

なんだかあったかそう。

春のイメージです。

擬人法の、心なごむ詩です。 

 

 ばかにのんきそうな雲に、もはやなりたい。

そして、どっかに飛んでいきたいですわ。(←逃避)

 

 

「春」

のろいな

のろいな

なのはなの

はたけのなかをゆく汽車は

ひら

ひら

ひいら

あとからその汽車

追つかける蝶々

 

少し遠くから、汽車を見ているんでしょうね。

近くにいるちょうちょと、遠くの汽車が同じくらいののんびりとしたスピードで動いている景色が広がります。

 

菜の花畑で寝そべって、ずっと暮らしたい(←逃避②)。

山村暮鳥の詩は、その景色の中に、いちいち、自分を登場させたくなる不思議さがあります。

それだけ、心地がいいのでしょうか。

 

春 山村暮鳥

 

 

「りんご」

両手をどんなに

大きく大きく

ひろげても

かかえきれないこの気持

林檎が一つ

日あたりにころがっている

 

いつかの教科書に載っていた気がします。

割と有名な詩。

こちらは、そんなに好きってわけでもないですが、有名というだけで載せてみました。

 

 

おわりに

山村暮鳥は、まず、名前がなんだかおしゃれ感ありです。

 

そして、「風景 純銀もざいく」は、ほんとにお気に入りの詩です。

 黄色の菜の花畑が一面に広がる、そして、ひばりの鳴く、どこか懐かしい風景ですね。

 

最近、少し落ち込むことがあったので、心をお花畑に飛ばして、逃避することにします。

 

ストレス解消の方法で、自分の落ち着く景色の中に、自分がいるというような想像をする方法があるらしいです。

 

みなさんもなにか嫌なことや悲しいことがあれば、山村暮鳥の描く風景に、ちょっとだけ佇んでみてはいかがでしょうか。

少し、気持ちが落ちつくかもしれません(*^_^*)