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『デューク』で出会った江國香織。おすすめ本6選!

 江國香織さんの小説に出会ったのは、10代の時。

高校の現国の模試か過去問かなんかでした。

短編小説の『デューク』が問題文として載っていたのです。

 

模試中にもかかわらず、私は『デューク』に完全に魅せられました。

言葉の端々が美しくて、繊細で、丁寧で、とてもよかった。

 

出典を確認して、すぐに『デューク』の収録されている短編小説集『つめたいよるに』を買いました。

 

それから、私は江國香織の本を読み漁りました。

 

今まで感じていたのに、言葉にするのは難しかったような感情を、江國香織さんがじょうずに表現してくれているような、そんな気持ちになり、ある意味革新的でした。静かな革新的さ。

 

今回は、おすすめの江國香織の本をいくつか紹介してみたいと思います。

江國香織 おすすめ

目次

 

 

『すいかの匂い』

『つめたいよるに』の次に読んだ短編小説集。

『つめたいよるに』も好きなんだけど、全体で見れば、こちらの作品集の方が好きな話が多かった。

 

蕗子さん』や『水の輪』では、背筋が凍る思いがした。普通そうな人の見せる、ふとした瞬間の狂気が怖かった。

 

あげは蝶』では、嫌いな新幹線の中で、私も幼くなって誰かに連れていかれるような気がした。

 

』では、最後の一文がずっと心に残っている。夏にたまに思い出す一文。

 

焼却炉』では、出てくる小さな女の子が、自分のような気がした。

 

夏にぜひ、読んでほしい作品。

解説の川上弘美さんの文章もとても良い。江國香織の作品を読んで感じた気持ちを、代弁してくれているような気になる。

 


すいかの匂い (新潮文庫) [ 江國香織 ]

 

『神様のボート』

あとがきの一文で、江國香織さんは「小さな、しずかな物語ですが、これは狂気の物語です。」と言っている。

 

母葉子と、娘草子の物語。

「必ず戻る」と言って消えてしまった「あのひと」を愛し続ける葉子。次第に大人の階段を昇る草子。

「あのひと」のいない場所にはなじめない、なじんではいけないと思っている葉子の狂気が、何気ない生活の端々にみえる。

 

江國香織の本の中に出てくる物も好き。

この本では、「シシリアンキス」というお酒の名前を覚えた。

好きなカクテルがあるってことは、素敵なことだ、という意識が芽生えたが、今のところ好きなカクテルはジンバックとキティで、おしゃれさが足らない気がしている。


神様のボート (新潮文庫)

 

 

『ホリー・ガーデン』

果歩と静枝は昔からの友達で、お互いの恋愛のことも知っている。

30歳目前の2人の、日々と恋愛。

 

忘れられない人の存在や、無邪気に自分を慕ってくる年下男子など、女性は共感できる部分も多いんじゃないかと思う。

 

忘れっぽいっていうのはすこやかなこと」というのは、とても納得のいく言葉だった。

 


ホリー・ガーデン/江國香織

 

『きらきらひかる』

結婚した夫婦。

でも、夫はホモで恋人がいた

妻はアルコール中毒・うつ

 

夫の恋人の「紺くん」が妙に魅力的だった。

愛し合って結婚した夫婦ではないのに、夫の「睦月」は優しいのに、妻の「笑子」はどこか「睦月」が手に入らないような寂しさを感じ始めて、胸が痛かった。

 


きらきらひかる (新潮文庫)

 

 

『間宮兄弟』

世間から「へん」だと思われても、楽しく暮らす兄弟の物語。

(とても仲良しで、ちょっとあやしいとさえ思ってしまう。)

もてない兄弟が、自分の世界を大切にしつつ暮らしている姿が、なんだか嬉しくて勇気づけられるような、そんな気持ちになる。

 


間宮兄弟 (小学館文庫) [ 江國香織 ]

 

『すみれの花の砂糖づけ』

詩集。

まずは、題名が可愛らしくて好き。

 

1つだけ引用させてもらいます。

 

「うしなう」

私をうしないたくない

あなたはいうけれど

私をうしなえるのは

あなただけだよ

遠くにいかないでほしい

あなたはいうけれど

私を遠くにやれるのは

あなただけだよ

 

びっくりしちゃうな

もしかしてあなた

私をうしないかけてるの?

(P58ー59)

 

江國香織さんっぽいな~なんて。

 


すみれの花の砂糖づけ (新潮文庫)

 

おわりに

僕の小鳥ちゃん』も大~~好きなのですが、以前荒井良二さんの記事で言及したので、割愛しました。

www.minamiuraniwa.com

 こちらもおすすめできる本です。


ぼくの小鳥ちゃん (新潮文庫) [ 江國香織 ]

 

江國香織の世界観は独特で、なんていうか、雨の日に家に閉じ込められたような感じというか、表現の仕方がわからないんですけど、静かで、触ると少し冷たくって、胸に深く沈みこむような、いつかどこかで感じたことがあるような、そんな感覚がします。 

 

女性に特に好まれるような、繊細な文章だと思います。

女性の気持ちを知りたい!という男性にもいいかも?!

本に出てくる主人公は、たいてい、攻略困難なタイプの女性だと思います…。

 

物事を深く考える人、実は心のなかは敏感だという人、なんかにぴったりなんじゃないかな…。

 

起承転結がはっきりあるわけではないので、「何も起こらない」状況に好き嫌いが別れるとは思いますが、私はとても好きです。

 

また、読み返してみようと思っています。

まずは間宮兄弟から!