みなみ風の吹く裏庭で。

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【北原白秋の詩と童謡】からたちの花・落葉松など~簡単な言葉が心に残る。

秋の夜長は、読書や文学にぴったり!

ということで、今回は好きな詩人第何弾か(忘れた)、北原白秋さんについて綴りたいと思います。

f:id:minami-saya:20191024202031j:image(柳川の風物詩:さげもん)

 

 

北原白秋さんについて

1885年ー1942年

熊本県玉名郡生まれ

福岡県山門郡(現:柳川市)で育つ

早稲田大学中退

詩人・童謡作家・歌人

 北原白秋の似顔絵イラスト

『白秋』とは…?

のことです。陰陽五行説に由来します。

同様に、春は『青春』、夏は『朱夏』、冬は『玄冬』といいます。

おしゃれな言い方。

また、生涯において、深みの増してくる50~60代のことを言うこともあります。

 

北原白秋さんは、秋が好きだからこの名前にしたというわけではなく、友人たちと雑誌を作るにあたって、自分のペンネームを決めるときに「白+〇」にしようということになり、くじ引きで「秋」が出たそうです。

意外となんの思い入れもない名前だったみたい(・´з`・)

 

 

北原白秋作詞の童謡

北原白秋はたくさんの童謡を作っています。

 

私が特に好きなのは

・からたちの花

この道

・ゆりかごのうた

です!

 

他にも有名なものとして、

待ちぼうけ(待ちぼうけ~待ちぼうけ~から始まる、意味の難解な歌詞。)

あめふり(あめあめ ふれふれ 母さんが~、の有名曲。)

ペチカ(雪の降る夜は楽しいペチカ~)

などがあります。が、今回は最初に挙げた3つをご紹介。

 

『からたちの花』

からたちの花が咲いたよ。

白い白い花が咲いたよ。

 

からたちのとげはいたいよ。

青い青い針のとげだよ。

 

からたちは畑のかきねよ。

いつもいつもとおる道だよ。

 

からたちも秋はみのるよ。

まろいまろい金のたまだよ。

 

からたちのそばで泣いたよ。

みんなみんなやさしかったよ。

 

からたちの花が咲いたよ。

白い白い花が咲いたよ。

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 実は、私はこのメロディを知りません…。

昔、母に買ってもらった詩集に載っていて、気に入って読んでいたので、詩しか知らないのです(;´∀`)。

 

でも、なんて優しくて、穏やかで、少し寂しくて、懐かしさを感じる詩でしょうか。

簡単な言葉しか使っていないのに、なんで心に残るのでしょうか??

好き!

 

映画やドラマのタイトルになっているのを見ると、多くの人がこの歌詞に何か特別なものを感じ取っているのだな、と思います。

 

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 優しいからたちの垣根を描きたかったのに、なまこっぽくなってしまいました。

 

『この道』

この道はいつかきた道
ああ そうだよ
あかしやの花が咲いてる

あの丘はいつか見た丘
ああ そうだよ
ほら 白い時計台だよ

この道はいつかきた道
ああ そうだよ
お母さまと馬車で行ったよ

あの雲もいつか見た雲
ああ そうだよ
山査子の枝も垂れてる

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(アカシアは、春に咲く花だそうです。)

 

こちらは、メロディも知っています♪

何かのCMで聴いたような?

 

こちらも、簡単な、優しい言葉で、なぜか心に響く詩となってます。

 

実際は、「この道」は「いつか来た道」ではないんでしょうね。

「あの雲」だって、絶対「いつか見た雲」ではないですから。

 

「この道」も「あの丘」も、いつか来た道やいつか見た丘を、ふと思い出してしまう。似ているように感じて、昔のことを思い出すという意味じゃないかな~と思います。

 

『ゆりかごのうた』

ゆりかごのうたを

カナリアがうたうよ

ねんねこ ねんねこ ねんねこよ

 

ゆりかごのうえに

びわのみがゆれるよ

ねんねこ ねんねこ ねんねこよ

 

ゆりかごのつなを

きねずみがゆするよ

ねんねこ ねんねこ ねんねこよ

ゆりかごのゆめに

きいろいつきがかかるよ

ねんねこ ねんねこ ねんねこよ

 

なんちゅう可愛い歌詞!

文字だけで柔らかく温かい!これは絵に描きたい! 

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 ということで描いてみました。時間の関係上、ビワのみは割愛いたします☆彡

 

 

北原白秋の詩

詩で好きなのは、断然「落葉松」です。

『落葉松(からまつ)』

からまつの林を過ぎて、

からまつをしみじみと見き。

からまつはさびしかりけり。

たびゆくはさびしかりけり。

 

 二

からまつの林を出でて、

からまつの林に入りぬ。

からまつの林に入りて、

また細く道はつづけり。

 

 三

からまつの林の奥も

わが通る道はありけり。

霧雨のかかる道なり。

山風のかよう道なり。

 

からまつの林の道は

われのみか、人もかよいぬ。

ほそぼそと通う道なり。

さびさびといそぐ道なり。

 

 五

からまつの林を過ぎて、

ゆえしらず歩みひそめつ。

からまつはさびしかりけり、

からまつとささやきにけり。

 

からまつの林を出でて、

浅間嶺(あさまね)にけぶり立つ見つ

浅間嶺にけぶり立つ見つ

からまつのまたそのうえに。

 

からまつの林の雨は

さびしけどいよよしずけし。

かんこ鳥鳴けるのみなる。

からまつの濡るるのみなる。

 

世の中よ、あはれなりけり。

常なけどうれしかりけり。

山川に山がわの音、

からまつにからまつのかぜ。

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それぞれの章も、味わい深くて染み入るのですが、最後の

「世の中よ、あはれなりけり。

 常なけどうれしかりけり。」

 がまた良い!

それ!って感じです。

 

美空ひばりさんの「愛燦燦」の歌詞も好きなんですが、悟ってる感がよきです。

 

常(永遠)なんてないし、

いいことばかりではないし、

人はみんな死ぬし。

善悪や、価値感、誠実さ、プライド、不安、なんかいろんなものが小難しく生きる上での引っ掛かりとなってくるけど…、 嬉しかりけりです。世界は美しかりけりです!!

 

『露』

草の葉に揺れいる露の

落ちんとし、いまだ落ちぬを、

落ちよとし、見つつ待ちいて、

落ちにけり。驚きにけり。

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面白い詩です!

落ちようとしている露を、落ちろ~と思いながら見ていたのに、落ちてしまうとやっぱり驚くところに、なんだか子供のような心を感じます。

 

短い時間と狭い空間を切り取った中で、未来形から、過去形になる文章。

短い時間の中にも、しっかりとした時間の流れを感じるのです。

 

何がかよくわからないけど、「こういうことなんだよなぁ」と思います。

 

 

おわりに

 (柳川市の北原白秋記念館)

 

北原白秋さん、素敵な詩と童謡をありがとう。

からたちの花の、まろい玉、私もひとつ欲しいです。窓辺とかに飾りたい( *´艸`)

 

北原白秋さんの故郷、福岡県柳川市も、素敵なところですよ~!

北原白秋さんに興味が無くても、川下りをしたり、さげもんを見たり、うなぎを食べたりして楽しめると思います♪

興味があれば、福岡から小旅行してみてください(*^_^*)