みなみ風の吹く裏庭で。

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漫画『小さな恋のものがたり』チッチの自然を愛する姿。詩・名言…

 小さな恋のものがたりは、小さい頃に母の本棚で見つけて読んでいました。

 

私は、当時小学生でしたが、チッチとサリーという高校生の、恋人と呼べるかどうか分からないようなゆらゆらした関係の繊細さと、四季の移ろいの美しさや儚さを、この漫画から強く感じ取っていました。

 

今も、自然がとても好きなのは、この漫画の影響も数%はあると思っています。

 

そんな、幼心にうけたそよ風パンチの漫画を紹介していきます。

 

目次

 

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(第1集p94) この絵好きです。そよ風のような漫画だと思う。

 

『小さな恋のものがたり』とは

 

作者:みつはしちかこ

種類:漫画

   時折、絵付きの詩が差し込まれる

巻数:1〜44巻

 

1962年から「美しい十代」にて連載開始。

その後、いくつかの雑誌で連載を続ける。

2014年には、最終集とされる第43集が発売されるが、2018年には、「その後のチッチ」というサブタイトルを付けて第44集が発売された。

 

 

 

登場人物紹介

チッチ:小川ちいこ。背が低くて、勉強も運動も苦手な高校生。

草花や焼き芋、おにぎりが好き。同じ学校の村上聡(サリー)に恋をする。

 

サリー:村上聡。背が高くて、勉強ができて、運動も得意な高校生。

ハンサムであるため、女子にモテる。クール。

 

トンコ:チッチの少し太めな優しい親友。

山下君:トンコの彼。優しいお調子者。

岸本さん:優しくて人気者。チッチには特に優しく接してくれる。チッチと趣味が合う。

マユミ:美人で明るいチッチの友人。

松木さん:背が高くて、見た目は男性のようだが、岸本さんに思いを寄せている。

 

他にも、チッチの父母、焼き芋やのオジさん(夏は竿竹を売る)、猫のミーコなどがよく出てきます。

 

 

 

あらすじ

チッチは、学校でかっこいい男の子サリーに一目惚れします。そこから、チッチの健気でたゆまざる努力が始まります。

 

サリーと親しくなっても、恋人と果たして呼べるのか?ずっとあやふやなまま。サリーの気持ちは分かりません。

 

その恋模様の間にも、チッチは、テストの点数や容姿のことなどで、落ち込んだり、泣いたり…。

 

そして、野原で草と戯れたり、つけまつげをしてみたり、おいしい料理を作ったり、日々の小さな生活を楽しんでいます。

 

 

 

チッチの毎日(名言・名場面)

 

☆デート前のチッチの様子
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(2巻P28)

 

 

☆雪にふと気がついた夜
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(5巻P177)

このあと夜中なのにサリーの家まで会いにいく。

 

この漫画では、携帯も無いし、出てくるのは黒電話です!

(みなみの実家にあるのは、第25集までですが…)

 

 

 

挿入されている詩

柔らかで伸びやかな詩が、たくさんあります。

 

例えば、よく出てくるレモンスカッシュ。

夏の始まりと終わりではこんな風に違ってみえたり。

 


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(第7集P61)

 


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(8集p83)

 

 

☆1人で過ごすチッチ

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 (チッチのひみつ P10)

 

 

 購入できる場所は?

第一巻


小さな恋のものがたり 電子特別編集版 第1巻

 第1集は、ネットではKindle版しか見つけられず…。残念(;;)

もしかしたら古本屋や図書館にはあるかもしれません。

 

 

最終巻とその後のチッチ


小さな恋のものがたり第43集

 


小さな恋のものがたり 第44集

最近のものは発見する事ができました。

 

 その他、周辺本


チッチのひみつ

 こちらは、わたしも購入しましたが、楽しめました!

 

 


ひとりぼっちの幸せ チッチ、年をとるほど、片思いは深くなるね

 みつはしちかこさんの生き方の本。

 

周辺本は色々あるのですが、中古でしか売っていないものがほとんどで、しかもなかなかのお値段でした!気になる方は、調べてみてくださいね♪

 

 

「小さな恋のものがたり」について語る

これを、小さいときに読んでいてよかったと思います。

風の暖かさ、草花の強さ、四季の移ろいの美しさを、本から学びました。

 

大人になってからも、ふと見た野道の花に、チッチを思い出す事があります。野花の陰からひょっこりチッチが顔を出しそうに思います。

 

春が訪れる喜びを、チッチの目線を通して2人分で感じられる気がします。

自分が持っていなかった、みつはしちかこさんの感性が、スーッと心に侵食してくるんです。

そしていつの間にか、その感性は折々の場面で、きらきらと発揮されるようになります。

 

チッチとサリーの恋模様も、清らかでムズムズして、とても好きですが、チッチから見る、みつはしちかこさんから見る、世界や自然の全てが、正しく健気に思えて、大好きです。

 

この、何とも表現しがたい感覚を、読んだ事のある人なら共有してもらえるかもしれません。

 

叙情漫画とも題されているこの作品は、もしかするとかなり女性的かもしれません。

逆に男性が読んでみるとどういう感想をいだくのだろうと思います。「なにいってんだか」っていう風になるのでしょうか?それとも共感が得られる部分があるのか…。

男女差よりも個人差があるかもしれませんが。

 

自然が好きな方は、きっと好きだと思います。

個人的には、1〜20集くらいまでが好きです。まだみつはしさんの若い頃の感性がぶわっとあふれているからです。

その後も、好きですが、ご本人自身が安定していった様に、徐々に漫画も安定していくような感じがあります。

これは、仕方の無い事だと思います。若い頃に感じる気持ちと、年を重ねて感じる気持ちは、変化して当然でそれが自然です。

どちらがいい悪いではないけど、わたしは、危うくてキラキラしたチッチが愛おしくてたまらないのです。

 

今回は、実家に帰省したので、チッチを読み直しました。小さい頃から何度読んだか分からないのに、何度読んでも飽きない漫画は、数少ないけど幾つかあるのです。

 

そのひとつが、この「小さな恋のものがたり」です。気軽にどこからでも読める所も好き。大きくストーリー展開がある訳ではないので。何がある訳でもない、ただの毎日の話です。

 

これは、母の愛読漫画だったので、大人になった今、自分で続きを買おうか迷っているところです。

最初の方も好きなので、ホントは全巻大人買いして、一人暮らしの家にも欲しいです。

 

繰り返し、しぶとく健気に咲く野花のようなチッチにお会いした事の無い方は、機会があればぜひ読んでみてください☆彡