荒井良二さんを知っていますか?
絵を描く人です。
しかも、子供が描いたようなキュートな絵を描くんです。
その色彩の豊かさと暖かさは心に強く残ります。
今回は、みなみの好きな荒井良二さんとその作品について綴りたいと思います。
目次
荒井良二との出会い
初めて出逢ったのは、もう15年くらい前のことです。
私は、当時江國香織さんの作品が大好きでした。(今も)
そして、江國香織さんの本として「ぼくの小鳥ちゃん」を買いました。
その中の小鳥ちゃんの可愛さに一気に魅了されたんです。
文章は江國香織さんが描いていましたが、挿絵は荒井良二さんが描いていました。
「こんなに可愛い小鳥を描いている人は誰なんだろう?」と荒井良二さんのことを色々知りたくなりました。
荒井良二ってどんな人?
1956年、山形県生まれ。
絵本・イラストレーションをはじめ、小説の装画、挿絵、広告、舞台美術など幅広く活躍。
『ルフランルフラン』で、日本絵本賞(2005年)、
『たいようオルガン』でJBBY賞(2007年)、
『あさになったので まどをあけますよ』で産経児童出版文化賞・大賞(2012年)を受賞したほか、ボローニャ国際児童図書展特別賞、小学館児童出版文化賞、講談社出版文化賞絵本賞など受賞多数。
2005年には日本人として初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。
(荒井良二公式ホームページ・2011年イラストノートより引用)
いろんな賞を受賞して、海外からも評価の高いすごい人です!
でも彼は、雑誌「イラストノート」の中で、
『キャリアなんか、蹴飛ばしてやる。
そこからまた、積み上げるんだ。』
と言っていました。
(イラストノートは、荒井良二さんの特集が見たくて、当時買いました。)
キャリアを蹴飛ばすなんて怖いことですよね。
でも、そう思ってしまうと(キャリアや大事なものを壊したくないと思うと)、色々なことが怖くなると思うんです。
怖くなったら、楽しくなくなります。冒険ができなくなります。
普段の生活でも、よくある事だと思うんです。
たとえばこんなブログにおいてだって。
なので、荒井良二さんの言葉はすごいなぁ、と感じました。
みなみおすすめ絵本『ぼくのキュートナ』
ぼくのキュートナ 荒井良二 |
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「はいけい ぼくの キュートナ」で始まる、15通の手紙です。
男の子が、キュートナに宛てて書いた手紙なので、キュートナ自体が何かを直接語ることはありません。
ですが、その手紙からは、いかにキュートナが魅力的で愛すべき存在なのかが伝わってきます。
靴を大事に履いていたり、変な帽子が似合ったり、寒がりなのに冷たいものばかり飲んだり…
なーんて愛おしい文章なんでしょ。
こんなお手紙がいくつも入っています。
ぼくにとって、キュートナはどんな風でも特別な存在なんだろうな~と思ってしまいます。
この本が、荒井良二さんの絵本の中で一番好きです!
むしろ、絵本の中で一番かもしれません…。(バムとケロも好きだけど…)
ぼくのキュートナは、大人の絵本、という感じです。
お子さんが読むなら、他にも、『ぼくがつぼくにちにちようび』や『きょうというひ』『あさになったのでまどをあけますよ』など、大人も子供も楽しめる素敵な絵本がいろいろあります。
江國香織の本の挿絵
『ぼくの小鳥ちゃん』
ぼくの小鳥ちゃん 江國香織 |
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最初に荒井良二さんの絵に出会ったのが、この作品です。
「小鳥ちゃんはいきなりやってきた」
から物語は始まります。
雪の朝、「ぼく」の部屋に、小さな小鳥ちゃんは舞いこんできます。
「いやんなっちゃう。中途半端な窓の開け方。」
いまだに「可愛い~(^o^)」と叫びたくなる、窓辺にやってきた小鳥ちゃんです。
モーツアルトが好きだったり、急に“びょうき”になって薬代わりのラム酒のアイスクリームを要求したり…
ぼく「それで、びょうきはいつなおるのかな」
小鳥ちゃん「予定ではあした。」
ぼく「なるほど」
なんていう可愛い会話も随所にあります。
でも、可愛い・ハッピーだけじゃありません。
小鳥ちゃんは、「ぼく」の彼女に嫉妬したり、考え事をしたり。
本の途中で出てくる
「わたしは、あなたの小鳥ちゃんよね?」
という文章はとても印象的でした。
…なんだか、江國香織の文章のおすすめみたいになってしまいましたが、この文章と、小鳥ちゃんの挿絵がすごく合うんです。
大好きで、何度も読み返した大切な本です。
『モンテロッソのピンクの壁』
モンテロッソのピンクの壁 (集英社文庫) [ 江國香織 ] |
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こちらは、“ハスカップ”という名前の猫が、夢でモンテロッソのピンクの壁を見ます。
(“モンテロッソのピンクの壁”って何なのでしょうね(*゚▽゚))
「モンテロッソへ行かなくちゃ!」
ハスカップは旅に出ます。
(ハスカップが元々住んでいた家)
その間に出会う、様々な人たち。
ハスカップが、モンテロッソだけを目指して、とりつかれたかのように旅を続ける姿と、終わり方が印象的な、絵本のような小説です。
ここでも、カラフルさの突き抜けた荒井良二さんの絵が光ります。
色味が何とも素敵です。
そしてどうやら、世の中には、どうしてもモンテロッソのピンクの壁へ行かないといけない猫がいるようなのです(^v^)
おわりに
荒井良二作品でおすすめなものを紹介しました。
特に、「ぼくのキュートナ」と「ぼくの小鳥ちゃん」は思い入れが深いです。
読んだら、日常の小さなことが、少し特別に思えるような、小鳥ちゃんにとっての“ラム酒入りアイスクリーム”のような存在になってくれると思います(*^_^*)
お手に取る機会があればぜひ、その世界をのぞいてみてください。
最後に、荒井良二さんのひとこと。
『絵を描く才能なんて、ずっと描いていけるかどうかだよ。続けることがチカラになるんだ。』
“続けるということのチカラ…”
熱しやすく冷めやすい、たいてい三日坊主のみなみにとっては心に留めておきたい言葉でした。。☆
ブログも続けていけたらいいな。